XSim を使って OpenFOAM 用の解析入力ファイルを作成する簡単な例を紹介します。
曲がり管中の流れに細い直管から流れが合流するようなパイプ内部の流れ解析の設定を行います。
zip 圧縮されたサンプルの STL ファイル「tutorial-pipes.zip」をダウンロードし、展開します。それが終わったら下のボタンから XSim を起動してください。
プロジェクト名として「MyFirstProject」と入力し、
ボタンをクリックしてプロジェクトを作成します。XSim には「ナビゲーション・ビュー」(左側)、「コントロール・ビュー」(中央)、「3D ビュー」(右側)の3つのビューがあります。
形状を読み込んだ後で、「メッシュ」や「基本設定」などナビゲーション・ビューの項目をクリックすると対応する設定ページがコントロール・ビューに表示されます。また 3D ビューでモデル形状を確認することができます。
言語設定を変更したい場合はウィンドウ右上のボタンをクリックして設定ダイアログを表示してください。現バージョンの XSim では「英語」と「日本語」がサポートされています。
まず初めにダウンロードした STL ファイルから形状をインポートします。
「ファイルドロップ」タブの下の領域に STL ファイル「Inlet1.stl」、「Inlet2.stl」、「Outlet.stl」、「Wall.stl」をドラッグ&ドロップしてください。STL ファイルが読み込まれ、形状が 3D ビューに表示されます。
マウスを使った 3D 表示操作手順は以下の通りです。
回転 | 拡大縮小 | 平行移動 |
---|---|---|
マウス左ボタン+ドラッグ | マウスホイール回転 | マウス中ボタン+ドラッグ |
ナビゲーション・ビューで領域の名前をクリックすると各領域を確認することができます。選択された領域は 3D ビュー上でオレンジ色で表示されます。領域選択を解除する場合は再度、領域名をクリックしてください。
ボタンをクリックしてメッシュ設定ページへ進みます。
メッシュ設定ページでは、ベースメッシュ領域、計算領域を定義する座標が 3D ビューに白い線で表示されます。
「目標ベースメッシュ数」の入力ボックスをクリックして、値を「50000」に設定します。
「計算領域」の入力ボックスをクリックして、座標を (50, 55, 0) に設定します。
次にレイヤーメッシュ設定を行います。「レイヤーメッシュ設定」にあるコンボボックスから領域として「Wall」を選択し、「レイヤー層数」を「3」にします。
次に
ボタンをクリックしてください。設定が適切に行われると、青い長方形のブロックが表示されます。設定を削除、再設定したい場合はブロック右上の「×」ボタンをクリックしてください。
ボタンをクリックして基本設定ページへ進みます。
このチュートリアルでは、定常解析を 200 サイクル分行い、RANS モデルとして標準 k-ε モデルを使用します。
従ってこのページで設定を変更する必要はありません。設定はデフォルトのままで構いません。
ボタンをクリックして物性設定ページへ進みます。
このチュートリアルでは流体として水(Water)を使用します。
従ってこのページで設定を変更する必要はありません。設定はデフォルトのままで構いません。
ボタンをクリックして初期条件設定ページへ進みます。
このチュートリアルでは設定をする必要はありません。
ボタンをクリックして境界条件設定ページへ進みます。
このページでは解析での流れ境界条件を設定します。
まずコンボボックスから領域として「Inlet1」、タイプとして「流速指定」を選択します。「境界条件パラメーター」で流速の値を (10, 0, 0) m/s に変更し、
ボタンをクリックすると領域に境界条件が設定されます。同じ手順で領域「Inlet2」に「流速指定」 (0, -10, 0) m/s を設定します。
次にコンボボックスから領域として「Outlet」、タイプとして「静圧指定」を選択します。「静圧」値が「0」 Pa となっていることを確認した後、
ボタンをクリックすると領域に境界条件が設定されます。最後にコンボボックスから領域として「Wall」、タイプとして「静止壁」を選択します。
ボタンをクリックすると領域に境界条件が設定されます。条件は青いブロックとして「境界条件」に表示されます。設定を削除、再設定したい場合はブロック右上の「×」ボタンをクリックしてください。
条件タイプのうちの一部は 3D ビュー上に矢印として表示され、条件が適用された領域を確認できるようになっています。3D 形状の透明度はをクリックすると切り替えられます。
ボタンをクリックして計算設定ページへ進みます。
このチュートリアルでは設定をする必要はありません。
ボタンをクリックして出力設定ページへ進みます。
このページでは、計算の出力設定を行います。「タイプ」が「指定サイクルごと」に設定されていることを確認してから、「間隔」を 50 サイクルに変更します。
ボタンをクリックしてエクスポートページへ進みます。
これで全ての設定が終わりました。
ボタンをクリックして解析設定を zip 圧縮された OpenFOAM ケースのディレクトリ「MyFirstProject.zip」としてエクスポートします。 zip ファイルのダウンロードはただちに開始されます。ウェブブラウザ上の XSim は終了して構いません。事前に XSim にログインしている場合には作成したデータをクラウド上に保存し、あとから再編集することできます。このチュートリアルではデータの保存は行いません。
実行するマシンには OpenFOAM がインストールされている必要があります。もし OpenFOAM がインストールされていない場合は「OpenFOAM for Windows 10 | OpenFOAM」を参照して OpenFOAM をインストールしてください。
まず「MyFirstProject.zip」を展開してください。ケース・ディレクトリ内に bash スクリプト「Allrun」があります。以下のコマンドでこのスクリプトを実行してメッシュの作成と OpenFOAM ソルバーの実行を行います。
あらかじめ gnuplot がインストールされている場合には計算中にモニター用の残差グラフが表示されます。
計算が終了すると ParaView を使用してメッシュや計算結果を確認できます。以下のコマンドで ParaView を実行してメッシュと計算結果を可視化してください。
計算、可視化の操作は標準的な OpenFOAM の操作と同様です。